分光法にはラマン分光法をはじめ近赤外分光法、テラヘルツ分光法など数多くの手法があり、その応用範囲はますます広がりつつあります。
 昨年に引き続き、紫外分光法、テラヘルツ分光法、ラマン分光法、近赤外分光法の4つを毎回半日で学ぶ分光基礎セミナー(全4回)を企画いたしました。 各コース第一人者の先生方の講演となります。ぜひこの機会にご参加下さい。

開催日時

2024年8月29日(木)13:00~16:45(聴講者入室:12:45~)

形態

Zoomを用いたWEBセミナー(Zoomウェビナー)
注)本セミナーでは録音・録画、PC画面の撮影、また配布しますセミナーテキストの複製・第三者への提供などの行為一切を固く禁じます。

【リアルタイムでの受講ができない日がある場合】
受講された翌日より7日間アーカイブが残りますので、セミナー参加申込者はその期間中は視聴が可能です。 なお、質問はリアルタイム講義中のみとなります。

プログラム

講演時間に質疑応答5分程度を含みます。講演は5~10分前後することがあります。

13:00~13:35

テラヘルツ分光イメージング概論

理化学研究所 大谷 知行 氏

本講演では、テラヘルツ波による分光とイメージングに関する概論について述べる。特に、テラヘルツ分光の基本的技術となるテラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time-Domain Spectroscopy, THz-TDS)の原理について触れた後、いくつかの分光イメージングの応用例について紹介する。

13:35~14:35

テラヘルツ分光で見る高分子と水のダイナミクス

理化学研究所 保科 宏道 氏

テラヘルツ(THz)周波数帯には、高分子の高次構造を反映した、振動スペクトルが観測される。特に水素結合を有する高分子では、スペクトルに水素結合やその周辺のダイナミクスが反映される。従来、そのような高次構造は、NMRやDSC、X線散乱などによって観測されてきたが、THz分光も新たなツールとして加わる可能性がある、さらにTHz光は透過性が高く分光イメージングが可能であるといった利点が有るため、高次構造の空間分布の可視化も可能である。
また、THz分光の特徴として、水に対する感度の高さが挙げられる。THz帯の水の吸収強度は非常に高いため、微量な水を分光可能である。また、THz帯の水のスペクトルには、回転緩和や分子間振動、ライブレーションによる吸収が現れるため、スペクトルから水のダイナミクスに関する情報を得る事が出来る。そのため、THz分光を用いる事で、高分子の結合水のような微量な水のスペクトルを観測し、そのダイナミクスの解明に役立てる事ができる。
本講演では、ポリマー試料に対するTHz分光とそのスペクトル解析について解説する。

14:35~14:45

休憩

14:45~15:45

広帯域テラヘルツ分光のセンシングおよび非破壊検査応用

芝浦工業大学 田邉 匡生 氏

テラヘルツ波は電波の特性であるプラスチックやコンクリートの非極性物質に対する透過性が高いだけでなく、光の特性としての直進性があり、光学設計が可能である。エネルギーとしては室温に相当するので人体に影響なく使用できる。プラスチックを構成する分子鎖間の振動数はテラヘルツ波の周波数に相当するので、テラヘルツ帯の誘電率に基づく透過率や反射率、共鳴吸収のピーク位置からプラスチックの素材だけでなく添加剤、機械ひずみや劣化の程度が評価できる。現在のリサイクル現場が分別できずに困っている「着色プラ」と「難燃剤」をテラヘルツ波により識別できるだけでなく、テラヘルツ波が透過する廃プラスチックにまぎれ込んでいるリチウムイオン電池のような金属片や陶器にテラヘルツ波は反射するので異物検査としての適用も可能である。
このようなテラヘルツ波の特性を活かし、コンクリート構造物の内部も非破壊検査できる。コンクリートの低周波数帯における透過性は高く、内部の鉄筋からの反射で位置を確認できる。また、特定の周波数のテラヘルツ波は金属腐食生成物により吸収するので、腐食部の位置とレベルを診断できる。さらにひび割れや含水によるテラヘルツ波の散乱や吸収からそれらの分布を知ることができる。極性液体である水はテラヘルツ波の吸収が大きいので、水を増感剤とすることでコンクリート内部のひび割れを高い感度で検出できる。

15:45~16:45

走査テラへルツ波点光源顕微鏡の原理とその応用

早稲田大学 芹田 和則 氏

走査テラへルツ波点光源顕微鏡(SPoTS顕微鏡)は、様々な物質をマイクロメートルスケールの高い空間分解能をもってテラへルツ分光およびイメージングできる顕微鏡である。その原理は、非線形光学結晶へのフェムト秒パルスレーザー光照射で起こる波長変換(光→テラへルツ波変換)に基づく。この波長変換の起点では、レーザー(光)スポット径程度の高密度なテラへルツ波の点光源が生成され、これと測定するサンプルとを相互作用させることで高い空間分解能での計測を実現している。例えば、細胞や微量溶液を高感度でテラへルツ計測することができる。
本講演では、本顕微鏡の原理、構成について解説するとともに、これを利用した応用計測例について紹介する。


参加方法 他

参加方法 8月28日(水)にZOOM招待メールをお送りいたします。
入金の確認がとれている方のみ
接続テスト 8月29日(木)11:00~11:20
接続確認が終了いたしましたら退出をしていただき、当日12:45になりましたら同様の手順によりご入室ください。
講演資料 8月28日(水)に順次送信しますZOOM招待メール内に、講演資料のダウンロードURLを記述したしますので、ダウンロードをお願いいたします。
注)配布資料は公開可能な範囲となります。また、資料は複製・コピー、第三者への開示・提供を固く禁じます。

受講料・申込方法ほか

受講料 33,000円(税込)* 講演資料代含む
---複数名申込割引---
同一企業から複数名でお申込みいただいた場合、
2人目以降の方の受講料を半額の16,500円(税込)にさせていただきます。
複数名でお申込みの合計額を申込代表者様へご請求となります。
※クレジットカード決済以外のお支払方法はお取り扱いございませんのでご了承ください。(銀行振込には対応しておりません)
申込方法 下部にあります、お申込みフォームよりお申込み下さい。
<複数名でお申込みの場合> ※同時申込のみ適用となります。
【申込区分】にてお申込みになられる人数を選択し、【同時申込者】にて同時に参加される人数(お申込者を除く)を選択していただきますと、その人数分の記入欄が表示されますので「お名前」「ご所属先」「E-mailアドレス」をご記入ください。

受付が完了しましたら下記件名の自動返信メールが届きます。メール内の決済用アドレスより決済を完了させてください。

件名:お申込み確認メール「分光基礎セミナー「テラヘルツ分光法」」【オプトロニクス社】

決済が済みましたら、下記件名のメールが届きます。

件名:【ZEUS】決済完了メール(自動配信)
件名: 料金お支払い確認メール「分光基礎セミナー「テラヘルツ分光法」」【オプトロニクス社】
支払方法 各種クレジットカードのみ
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<複数名でお申込みの場合>
複数名でお申込みの合計額を申込代表者様へご請求となりますので、個別でのお支払いはできません。


領収書発行 クレジットカードご決済後、料金お支払い確認メール内に、領収書のURLが記載されていますのでご使用ください。
領収書の宛名は申込フォームの「会社名・団体名」がそのまま反映されます。
領収書の発行は、申込代表者様宛のみとなります。個別の発行はできませんのでご了承ください。
申込・支払締切 8月26日(月)
キャンセル規定 お客様のご都合による受講解約の場合は下記のとおり解約金として申し受けます。 8月26日(月)までは受講料の50%、8月27日(火)以降につきましては受講料の全額
お問合せ (株)オプトロニクス社
セミナー内容に関するお問合せ 担当:杉島
支払いに関するお問合せ 担当:光岡、伊藤
Tel:(03)3269-3550 E-mail:seminar@optronics.co.jp

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