分光法にはラマン分光法をはじめ近赤外分光法、テラヘルツ分光法など数多くの手法があり、その応用範囲はますます広がりつつあります。
 この度、多くの分光法に触れていらした関西学院大学名誉教授の尾崎幸洋先生に監修いただき、紫外分光法、テラヘルツ分光法、ラマン分光法、近赤外分光法の4つを毎回半日で学ぶ分光基礎セミナー(全4回)を企画いたしました。 各コース第一人者の先生方の講演となります。ぜひこの機会にご参加下さい。

開催期間

2023年6月2日(金)/6月9日(金)/6月19日(月)/6月30日(金)<全4回>
講義(各回) 13:00~17:10(入室 12:45~)※3回目だけは13:00~17:15

【リアルタイムでの受講ができない日がある場合】
受講当日より3日間アーカイブが残りますので、セミナー参加申込者はその期間中は視聴が可能です(録画等はできません)。 なお、質問はリアルタイム講義中のみとなります。

形態

Zoomを用いたWEBセミナー(Zoomウェビナー) ※参加方法はこちら
注)本セミナーでは録音・録画、PC画面の撮影、また配布しますセミナーテキストの複製・第三者への提供などの行為一切を固く禁じます。

プログラム

6月2日(金)

13:00~17:10

■第1回 紫外分光法


紫外分光は、電子状態を扱う最も基礎的な分光法と思われがちですが、新しい技術(プラズモニクスやイメージング)を取り入れたり、より短波長領域へ進出したりと高度な発展を見せています。
本セミナーでは、遠紫外領域への展開やこのような新しい技術を取り入れた先端的な紫外分光法についての基礎から応用例について解説する。
(企画:近畿大学 森澤 勇介 氏)

遠紫外分光の基礎と応用

近畿大学 森澤 勇介 氏

遠紫外領域(120-200 nm)にはすべての分子が許容電子遷移を持ち、液体・固体に対して従来の透過吸収スペクトルを測定するのは困難である。遠紫外領域における減衰全反射法(ATR法)を用いることで、これまで測定できなかった遠紫外領域の吸収スペクトルを再現よく測定することができる。・・・
 

深紫外の先端技術

北海道大学 田口 敦清 氏

波長が200 nmから300 nmの深紫外光は、フォトンエネルギーが物質の電子遷移エネルギーに相当し、吸収分光や光重合、光加工や触媒など、科学技術と産業に幅広い応用が期待される。本セミナーでは、深紫外光領域の顕微分光において空間分解能に向上をもたらす高開口数対物レンズの開発、・・・


紫外分光のセンサー応用

立教大学 田邉 一郎 氏

表面プラズモン共鳴(Surface plasmon resonance; SPR)センサーは、金属表面の屈折率変化を、SPR波長あるいはSPR角の変化として検出するセンサーである。典型的には、抗体を表面修飾したAu薄膜を利用することで、抗原センサーとして活用されてきた。Auは可視域にSPR波長をもつことから、・・・


深紫外光により生体をみる

大阪大学 熊本 康昭 氏

波長300 nm以下の紫外線すなわち深紫外光は,核酸やタンパク質を変性させ,細胞の死や癌化を誘導する.そのため生命科学分野においては,深紫外光を用いる計測は避けられがちである.しかし細胞死や癌化を引き起こす深紫外光は,可視光および近赤外光に対して透明な核酸やタンパク質を標識せず・・・


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6月9日(金)

13:00~17:10

■第2回 テラヘルツ分光法


分光基礎セミナー「テラヘルツ分光:基礎と応用」では,これからテラヘルツ時間領域分光法を応用,利用しようとする技術者および研究者を対象に,その分光技術の基礎,すなわち分光法の特徴,利用されている要素技術,データ処理法,実際の装置構成などをわかりやすく説明します。またその分光技術がどのような対象に有効であるのか,また分光法の計測・分析への有効性を理解していただくため,テラヘルツ分光による高分子構造解析,非破壊センシング,テラヘルツ波放射に基づく化学特性の顕微イメージング(ケミカル顕微鏡)への応用について解説します。
(企画:福井大学 谷 正彦 氏)

開会挨拶

テラヘルツ分光技術の基礎

福井大学 谷 正彦 氏

テラヘルツ領域の分光技術は回折格子を分散素子に用いた分光器から始まり、1960年代以降に遠赤外領域のフーリエ分光法が,1980年代後半以降にテラヘルツ時間領域分光法が開発され発展してきた。現在、5 THz以上では主として遠赤外フーリエ分光法、5 THz以下では主としてテラヘルツ時間領域分光法が用いられるようになっている。・・・


テラヘルツ分光で見る高分子高次構造とダイナミクス

理化学研究所 保科 宏道 氏

テラヘルツ(THz)周波数帯には,高分子の高次構造を反映した,振動スペクトルが観測される.特に水素結合を有する高分子では,スペクトルに水素結合やその周辺のダイナミクスが反映される.従来,そのような高次構造は,NMRやDSC,X線散乱などによって観測されてきたが,THz分光も新たな・・・


テラヘルツ分光のセンシングおよび非破壊検査応用

芝浦工業大学 田邉 匡生 氏

テラヘルツ波は電波の特性であるプラスチックやコンクリートの非極性物質に対する透過性が高いだけでなく、光の特性としての直進性があり、光学設計が可能である。エネルギーとしては室温に相当するので人体に影響なく使用できる。プラスチックを構成する分子鎖間の振動数はテラヘルツ波の・・・


テラヘルツ波ケミカル顕微鏡の基礎と応用

岡山大学 紀和 利彦 氏

テラヘルツ波ケミカル顕微鏡(TCM: Terahertz Chemical Microscope)は,溶液の化学反応を可視化することを目的として開発された顕微鏡です。
この顕微鏡の核となる技術は,センシングプレートと呼ぶサファイア基板上に半導体薄膜を成長させた素子です。この素子に・・・


閉会挨拶

福井大学 谷 正彦 氏

 
 
 
 


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6月19日(月)

13:00~17:15

■第3回 ラマン分光法


最近ラマン分光法が非常な注目を集めている。それはラマン分光法が、物理、物理化学的情報(構造、物性、反応)と分析化学的情報(分子の指紋、定量分析、定性分析)のいずれも与えるからである。またあるがまま、非破壊でスペクトルが測定できる、光ファイバーを自由に使える、遠隔測定も可能であると言った利点がある。ラマン散乱光は弱い、しかし表面増強ラマン散乱を用いると単分子のスペクトルも測定できる。ラマン分光法は、多様性、多芸性が高く、応用範囲が極めて広い。各種材料、例えば、カーボン材料、半導体、ポリマーから、生体材料、細胞や生体組織まで、様々な試料を対象に、基礎科学から産業用途まで幅広く利用が進み、今後も新しい応用展開が見込まれる。
本セミナーでは、ラマン分光法の基礎、および材料分析、顕微分析、バイオイメージング、創薬/製薬への応用などについて、初学者向けに紹介します。
(企画:関西学院大学 尾崎 幸洋 氏)

開会挨拶

関西学院大学 尾崎幸洋 氏

 
 
 
 
 
 

ラマン分光法の基礎

学習院大学 岩田 耕一 氏

ラマン分光法は,実験者にとっての自由度がきわめて大きい測定法である。ラマン分光法では測定の目的に応じて独自の実験法を自由に工夫することはそれほど難しくない。ラマン分光法は測定者にとって創意工夫の余地が大きい「楽しい」分光法なのである。市販の装置を使ってラマン分光測定を行う場合でも,・・・


顕微ラマン分光の基礎と応用

学習院大学 齋藤 結花 氏

顕微鏡下でラマン分光を行うと、物質の分布についての情報を得ることができます。複数の分子の混合物である試料はもちろんのこと、単一物質から成る試料であっても空間分布を測定することが求められています。例えば半導体材料の結晶歪み分布は電気伝導度と関連しており、さらに不純物の存在は・・・


ラマン分光によるバイオイメージング

九州大学 加納 英明 氏

ラマンスペクトルは分子構造を鋭敏に反映した複数の鋭いバンドを与えるため、細胞内の複数の生体分子からの信号をラベルフリー(標識無し)かつマルチカラーで取得できる。ラマン散乱光は一般に微弱な光であるが、非線形光学効果を用いて増幅することにより、・・・
 


ラマン分光法の創薬および医療への応用

(株)ウィズレイ 森山 圭 氏

ラマン分光法を用いることで、非破壊、非接触、非標識、かつ迅速、簡便に、対象試料の化合物情報および結晶形情報が得られ、さらに顕微ラマン分光法により、成分分散状況や粒子形状の可視化までが可能となる。ラマン分光法のこれらの特徴から、創薬研究から医薬品製造工程に至るまで、・・・


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6月30日(金)

13:00~17:10

■第4回 近赤外分光法


近赤外分光法は、振動分光法でもあり、電子分光法でもある。基礎研究も応用も非常にユニークな分光法である。応用面では、丸ごと、あるがまま、非破壊、非侵襲で分析ができるのが近赤外分光法の利点である。近赤外の応用分野は、食品、農産物、薬品、化粧品、ポリマー、生物医学、品質管理、オンラインモニタリングなどきわめて幅が広い。最近、ハンドヘルド近赤外分光器、近赤外イメージングが特に注目されている。
本セミナーでは、近赤外分光法の基礎、応用、分光装置、スペクトル測定法、スペクトル解析法、さらに近赤外分光法で非常に重要なケモメトリックスについて解説する。機械学習についても触れる。
(企画:関西学院大学 尾崎 幸洋 氏)

近赤外分光入門 -基礎と応用

関西学院大学 尾崎幸洋 氏

近赤外域 (800-2500 nm,12500-4000 cm -1 )は可視域 (400-800 nm) と赤外域 (2500 nm-25μm, 4000-400 cm -1 ) のちょうど中間にある領域である。この領域には分子の電子遷移と分子振動の倍音、結合音が観測される。倍音、結合音は禁制遷移なので、近赤外域に観測されるバンドは、非常に弱い。・・・

振動分光の基礎と解析法

近畿大学 森澤 勇介 氏

振動分光は分子の中で結合している原子の質量とその結合次数によって、吸収や散乱される光の周波数が異なる。これは試料中の官能基を分析するのに適した手法である。さらには、試料中の官能基が多ければ多いほど吸収が大きくなる性質を利用して定量分析に用いることができる。振動分光の中で、・・・


近赤外装置の特徴と実験法

(国研)農研機構 池羽田 晶文 氏

近赤外分光法を最も特徴づけるのは拡散反射光を利用した方法で、光の透過と散乱のバランスによって懸濁液、粉体、ペースト、不均一な生体試料など、様々な状態のサンプルをありのままの状態で計測できる。このため装置形状が多種多様であり、これがユーザーを迷わせる要因の一つにもなっている。・・・


ケモメトリックスの基礎と近赤外への応用

産業技術総合研究所 新澤 英之 氏

近年、様々なデータを情報科学の手法によって取り扱う、いわゆる「データインフォマティクス」が社会的に大きな注目を浴びている。化学データをインフォマティクスによって分析する技術はケモメトリックスと呼ばれ、分光法、質量分析、熱分析といった分析技術への適用が進んでいる。とりわけ近赤外分光法は、・・・


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参加方法 他

参加方法 各回開催の1日前の13:00までにセミナー参加用URLを記載したメールをお送りいたします。
接続テスト 各回の開催当日 10:00~10:30
※ 入室できない、声が聞こえない等ありましたらご連絡ください。 接続確認が終了いたしましたら退出をしていただき、時間になりましたら同様の手順によりご入室ください。
講演資料 各回開催の1日前の13:00までにお送りします案内メールの中に、講演資料のダウンロードURLを記述いたしますので、そちらよりダウンロードをお願いいたします。
注)複製・コピー、第三者への開示・提供を固く禁じます。

受講料・申込方法ほか

受講料 全クラス受講(全4回:一括割引) ¥72,000 (税込¥79,200)
各回(1日) ¥24,000 (税込¥26,400)

* 講演資料代含む
申込方法 下部にあります、お申込みフォームよりお申込み下さい。
受付が完了しましたら自動返信メールが届きますので内容をご確認ください。
支払方法 後日、決済用URLを記載した請求書(クレジット用)をお送りします。お支払いは開催日の4日前(土日祝日を除く)までにお願いいたします。

領収書発行 クレジットカードご決済後、1週間程度でメールにて送付いたします。
※領収書の宛名は申込フォームの「会社名・団体名」がそのまま反映されます。
申込締切 ・全4回受講および第1回目受講の場合:5月30日(火)
・第2回目:6月2日(金)
・第3回目:6月12日(月)
・第4回目:6月23日(金)
キャンセル規定 お客様のご都合による受講解約の場合は下記のとおり解約金として申し受けます。
【全4回受講の場合】
5月25日(木)までは受講料の50%、5月26日(金)以降につきましては受講料の全額
【各回個別で受講される場合】
各締切日の前日までは受講料の50%、それ以降につきましては受講料の全額
お問合せ (株)オプトロニクス社
セミナー内容に関するお問合せ 担当:加納
支払いに関するお問合せ 担当:光岡
Tel:(03)3269-3550 E-mail:seminar@optronics.co.jp

※セミナーの参加受付は終了いたしました。