開催日時

2024年7月18日(木)13:45~15:35

会場

マイドームおおさか 展示ホールA内特設会場(1F)

主催

応用物理学会フォトニクス分科会

プログラム

13:45~13:50

開会の挨拶およびフォトニクス分科会の紹介

応用物理学会フォトニクス分科会幹事長 横浜国立大学 片山郁文 氏

13:50~14:25

EOポリマーを用いた高速光制御デバイス

情報通信研究機構 未来ICT研究所 上席エキスパート
大友 明 氏

EOポリマーは、大きなEO係数と高速応答を示すことから、光変調器や光フェーズドアレイ(OPA)などの高速光制御デバイスへの応用が期待されている。しかし、EOポリマーは、屈折率そのものが低いために小型集積化が難しく、また個々のデバイス作製後にポーリング処理が必要なために、大規模アレイの作製や量産化が困難であるという課題があった。そこで我々は、シリコンなどの高屈折率材料とのハイブリッド技術や、あらかじめポーリングした膜を転写する技術など、小型集積化と量産化を可能にする技術を開発してきた。また、これまでのEOポリマーは可視光領域に吸収があるために、主な応用対象はCバンドなどの光通信波長帯(近赤外光)の光制御デバイスに限られていた。我々は可視光で透明なEOポリマーの開発に成功し、Cバンドよりも高効率な光変調を実証し、可視光用のOPAの開発にも取り組んでいる。可視光用OPAは、3Dディスプレイや水中光無線通信などへの応用が期待できるデバイスである。本講演では、可視光から近赤外光用のEOポリマー材料とそれらを用いた光制御デバイスについて紹介するとともに、その小型集積化や大規模アレイ化に向けた技術と今後について展望する。

14:25~15:00

シリコンフォトニクスを用いた超小型・大容量光集積チップの開発

アイオーコア(株) 光技術統括部長 中村 隆宏 氏

データセンタの効率的な運用を目指してディスアグリゲーション化が進められている。更に、AIにおいてもコンピューティング能力を増大するには、メモリーとの高信頼・高性能なインターコネクションが重要になっている。これらのネットワークの1つの候補として、高信頼・高性能・低消費電力なネットワークを構築することが可能なPCIeが注目されている。現在、市場ではPCIe 5.0の32Gbps/レーンの導入が検討されており、特に距離が長いところではレイテンシーが問題になり、光化が重要になる。我々は、PCIe 5.0に向けたシリコンフォトニクス超小型・大容量の光集積トランシーバーであるIOCoreを開発し、105℃までの広温度範囲で32Gbps動作を実現した。更に、IOCoreの特性を活かした、液浸サーバやFPGAアクセラレーターへの応用についても紹介する。

15:00~15:35

異種材料集積技術を用いたSi基板上III-V族半導体レーザ・能動素子の現状

東京工業大学 工学院電気電子系 教授 /
技術研究組合光電子融合基盤技術研究所 開発本部長
西山 伸彦 氏

AI時代を支える次世代マルチテラビット級光トランシーバの実現には、従来の技術の延長ではないブレークスルー技術が必要と考えられ、特に異種材料集積技術および光電協調設計がより重要となってくる。
本講演では、マルチテラビット級光トランシーバの実現に向け、上述した技術をベースとする発表者が遂行するプロジェクトの概要を述べた後、コア技術となる異種材料集積技術の基本原理を概観し、この技術を利用して作製された素子特性を述べる。次に光電協調設計として、消費電力の高い電子回路機能を光回路にオフロードすることにより、消費電力が低減可能なことを示し、その取り組みについて述べる。そして、本トランシーバを利用する多方路エラスティックネットワークアーキテクチャとこれを利用したリアルタイム分散データベースの状況についても述べる。
最後に、さらなる未来へ向け、Si基板上半導体薄膜レーザについても紹介し、その応用例を展開する。

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